今日の話題は、これから税理士として開業しようと考えている方や、現在開業して間もない方に向けて。

一般的に税理士の開業は開業資金が少なく済むと言われています。確かにその通りで、特に私のように自宅を事務所とする場合には家賃もかかりませんし、必要なものといえばパソコンとプリンターぐらいなもので毎月かかる費用も会計ソフト代と支部費ぐらいなものです。

ただ、そういった事業にかかる経費以外にも毎月の生活費は当然かかってきます。その為、独立する場合には一定の貯金をしてから独立するのが一般的だと思います(私も同じです)。そうすれば、独立後も焦ることなく、じっくりといろんな営業活動ができるだろうと考えるからです。

しかし、いざ、独立してみて感じたことですが、私のように0からお客様を獲得していこうと考えている場合、ホームページの作成やチラシ、リスティング広告を頑張ったとしてもすぐに食べていけるだけの数のお客様が見つかるはずはありません。

これまでは給与収入を得ながらその中で生活をしていましたので貯金が減っていくということはありませんでしたが、今は日々貯金を取り崩して生活費を捻出していますのでみるみる貯金が減っていきます。

これが精神的にかなりよくありません。どうしようどうしよう、なんとかしないと、なんとかして収入を確保しないと、ととにかく焦るのです。

人は貯金が減っていくこと、収入の見込みがたたないこと、この2つが揃うことはものすごい恐怖なのです(特に収入が大きいです)。当たり前だと思うかもしれませんが実際に体験するとこれは想像以上でした。年金暮らしの高齢者が貯金がたくさんあっても質素な生活をするのはこの恐怖からだと思います。おそらく貯金がなくても収入がたくさんあればこの恐怖はないような気がするので恐怖の大元は収入なのでしょう。

さて、この恐怖から解放されるには収入を確保するしかありません。税理士の場合、この状況に陥って検討するのが紹介会社な気がします。

ここで紹介会社をばんばん利用していくとどうなるでしょうか。

紹介会社の手数料は大体年間報酬の60%前後。例えば年間600万円分の仕事を確保しようとする場合に360万円の初期投資が必要ということになります。

貯金が減っていく恐怖の中でさらにこのような大きな出費は痛すぎます。しかも、紹介会社経由のお客様は単価の問題や、継続性の問題もはらんでいますので2年目以降が安泰という訳でもありません。

さて、結論として私はどうしていくかということですが、私自身は税理士としての仕事は当初の目論見通り、焦らずじっくりゆっくりとやっていきたいと思います。支部からのお仕事や、お客様からの紹介、ホームページ、リスティング広告、チラシなどを継続し、少しずつお客様を増やしていきたいと思います。そして収入に関しては幸いにも私はまだ比較的若く、身体を動かせる年齢でもありますので、税理士業務以外の引越、配達などあらゆる単発のアルバイトをなんでもやっていき、できる限り貯金の減少がなだらかになるようになるようにしながら耐えていきたいと思います。